暖淡堂 FP Office

会社員でフィナンシャル・プランニング(FP)技能士の「安心な暮らし」のための心得

*本ブログにはスポンサーによる広告が表示されています*

扶養(配偶者)控除と「103万円の壁」という言葉のこと FP2の勉強をしながら整理すると

税金と年金と扶養の関係は難しい

 

こんにちは、暖淡堂です。

 

フィナンシャル・プランナーの勉強を始めると、新聞やテレビのニュースで伝えられる数字の意味がわかるようになってきます。

ここ数日では「103万円」と「106万円〜130万円」という金額。

「106万円〜130万円」は会社員などが加入する健康保険における配偶者の扶養に関係して出てくるものですね。

こちらに関しては、前回の記事をご参照ください。

 

 

financialplanner.hatenablog.com

 

で、前回の記事を書きながら、さらっと流してしまった感じの「103万円」。

これは「130万円」の誤記ではありません。

所得税額を計算する際の配偶者控除に関係する数字です。

今回はその辺りを整理してみます。

 

*****

 

 

 

で、所得税における配偶者控除に関係する103万円という数字については、以下のように整理できます。

 

 

所得税における基礎控除:48万円

所得のある人は、原則、所得税を払わないといけません。

この所得税には基礎控除があります。

それが48万円です。

控除とは、所得税額を計算するもとになる金額(合計所得金額)から差し引くこと。

例えば収入が50万円だったら

 

50万円➖48万円🟰 2万円

 

所得税を計算する対象になる金額が2万円になる、ということですね。

なので、収入が48万円だったら

 

48万円➖48万円🟰0円

 

48万円までであれば、所得税の対象になる収入がなかったことになります。

所得税が計算されず、税額は0円です。

 

この基礎控除は、所得税の対象になる収入の合算値に対して差し引くものです。

給与収入(パート、アルバイト含む)以外に収入がある場合は、それも含めての控除額になります。

 

ちなみに、この基礎控除は、収入が2400万円を超えると次第に減り始め、2500万円では0円になります。

収入が多い人は、基礎控除はありません、ということですね。

 

所得税における給与所得控除:55万円〜

基礎控除に加えて、給与所得の場合は、収入金額に応じて給与所得控除があります。

これは、収入の低い方で55万円から始まり、収入が多い方では195万円(控除額上限)となっています。

 

控除額は収入が増えると、それに応じて一定の割合で増えます。

それぞれの収入額に応じた控除額が算出されることになります。

 

基礎控除額48万円と給与所得控除55万円〜の合計額を超えるところから、その人には課税対象の収入があることになります。

 

48万円➕55万円🟰103万円

 

ここで、103万円が出てきます。

ざっとこのような流れで、その年の給与が103万円を超えると所得税の課税対象になります。

逆に言うと、103万円までは課税されません。

ちなみに、103万円を超えても、金額に応じた控除額はありますので、金額そのままに税率がかけられるということではありませんが。

 

いずれにしても、給与所得が103万円を超えると、被扶養者(配偶者とか子とか親とか)となれず、自分で所得税の対応をする必要が生じるということですね。

また扶養者(主に家計収入を得ている人)にとっても、扶養者控除(配偶者控除とか、子や親の扶養控除)がなくなるため、税額が増えてしまいます。

 

さらには、「106万円〜130万円」超も該当するようになると、パート先、アルバイト先で社会保険(厚生年金)などへ加入することになり、その分の徴収もされます。

そんなこんなで、手取りが減ってしまう。

そんな金額であるということですね。

103万円の壁

給与所得と控除



まとめると、「103万円の壁」とは

つまりは、家庭の中で被扶養者(配偶者、子、親)となっている人の給与収入(パートやアルバイトなど)が103万円を超えると以下のことが起こります。

  • 被扶養者(配偶者)控除がなくなる
  • その結果、家計全体でみると税金負担が増え、手取りが減ってしまう。

その金額の所得税面での境界が103万円ということですね。