暖淡堂 FP Office

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生命保険加入を考える前に年金制度のご確認を

国民年金、厚生年金は保険です

国民年金、厚生年金は保険です

 

生命保険は自分の死亡時に保険金が支払われるものですね。それは残された家族のことを思ってのもの。自分が家庭の収入を支えていた場合、死亡後はそれがなくなってしまう。それでは家族の生活が成り立たない。だから死亡時にまとまったお金が支払われる生命保険に加入する。生命保険とは、そういう保険ですね。

保険金が1000万円とか2000万円、さらに3000万円以上など高額になると、月々支払う保険料も高額になります。保険商品によっては、高級車のローンを支払うのと同じくらい。それでは、現在の暮らしを圧迫してしまいます。

 

生命保険に加入する前に思い出して欲しいものがあります。それは国民年金保険、厚生年金保です。「保険」とついているので、「あれ、国民年金と別の制度かな」と思うかもしれませんが、同じものです。そもそも国民年金と呼ばれているものは、正しくは国民年金保険です。支給される場合、国民年金保険は老齢基礎年金、厚生年金保険は老齢厚生年金などと呼び方が変わったりしますので、それで混乱してしまいますね。

これら年金は保険なので、加入者は「被保険者」と呼ばれます。また月々支払っているのは「保険料」になります。

 

これらの保険の保険金は、以下の場合に支給されます。

  • 老齢(老人になった時):老齢基礎年金、老齢厚生年金
  • 障害(障害が残った時):障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金
  • 死亡(遺族に対して):遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金、遺族厚生年金、など

年金の受給資格を満たしていれば、これらが支給されます。年金というと自分が老人になった時に、月々支払われるものだけを思い浮かべるかもしれませんが、例えば身体に障害が残るような状態になった場合は、老齢になっていなくても支給されます。

ここで覚えておいて欲しいのが死亡時に支払われる遺族年金。相互扶助の保険だからこそ支給される保険金です。

 

たとえば遺族基礎年金であれば、国民年金の給付額満額に18歳未満の子供の人数に応じた加算額があります。2024年の国民年金の満額は年額で816,000円。子供の加算は年額で228,700円(子供が2人であれば倍、3人目以降は76,200円/人)。子供が1人だった場合でも、1年に100万円以上の支給があります。子供がまだ小学校低学年だった場合、支給される遺族基礎年金の金額は1000万円くらいになります。

 

支給金額の算定基準は変わりますが、遺族厚生年金も支払われます。これら遺族基礎年金、遺族厚生年金の支給金額、支給期間などを確認すると、そもそも高額な生命保険に加入する必要はないかもしれません。生命保険では保険料の大部分は掛け捨てになってしまいます。であれば、その部分は貯蓄に回すのが賢い選択といえそうです。

 

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